なんだかすっかり春めいてきた気になっちゃいますが、来週の連休頃にはもう一度真冬のような寒さになるみたいなので、皆さんも体調にはお気を付けください。

さて、全然話が変わりますけど、皆さんは映画『PERFECT DAYS』はもう観ましたか?
監督がヴィム・ヴェンダースさんという日独合作映画で、主演の役所広司さんがカンヌで主演男優賞を獲得したことでも話題になりましたね。
私は遅ればせながら、先週の連休中に観てきました。
ちなみに、Instagramで繋がっているフランス人にも「観るべきだ」と言われていました。
そして、本当に観て良かったと思える最高の映画でした。

役所広司さん演じる主人公の平山は、スカイツリーの見える古い風呂無し木造アパートに暮らし、公園の公衆トイレの清掃員を仕事としています。
質素な一人暮らしで黙々と毎日ルーティンをこなす平山は、一見豊かさとは対極にあるように見えます。
しかし、彼の好きなモノ(古い洋楽のカセットテープや古本屋で買ってきた文庫本、それに小さな木の鉢植え)はいつも手の届くところにあり、それらをこよなく愛する彼の暮らしぶりはとても満ち足りているように感じます。
また、公衆トイレの清掃とは、見返りを求めることなく見知らぬ誰かの為にすることの象徴のようにも感じました。
平山は、その仕事を一切手を抜かず、とても丁寧にこなします。
そして、昼食はいつもの神社の境内のベンチでいつものコンビニのサンドイッチを頬張り、そこから見上げる大木の木漏れ日に向けて、古いフィルムカメラのシャッターを切ります。
同じような毎日。でも、長年そこにじっと佇む大木も僅かな風で枝を揺らすように、日々のルーティンの中にも平山の心をザワザワさせる出来事も起こります。
それでも、次の日の朝には職場へ向かう車の中、大好きなカセットから流れる音楽と朝陽を浴び、静かに今日も微笑む平山。
生きるとは?豊かさとは?幸せとは?
そんなことを問いかけてくる、静かながらもとても深い感動に満ちた作品でした。

ではでは、本当は映像の美しさとか、もっともっと語れるんですが、この辺にしときます。
皆さん良い週末を~